先日、滋賀県内での起業支援について考えてみた出来事が2つありまして。
一つが、滋賀大学で行われたアントレープレナー教育の一貫で講演をしてきたこと。
もう一つが滋賀県庁の職員の方々が今プラスに来られて、起業支援に関するヒアリングを応対したことです。
その中で「滋賀県の起業支援」で不足ていること、これから行った方がいいことを考えたときに一つ、アイデアが出たので残しておくことにします。
個人的にまず感じているのは滋賀県では、これから起業しようとする人や、起業して間もない方々に向けた支援が充実しています。
例えばこれから起業しよう!起業したての人に向けた「情報を知る」という意味では、商工会や商工会議所が展開されている創業塾があります。
他にも大津市にある産業支援プラザでは毎週のようにマーケティングに関するセミナーがありますし、民間でも起業支援に向けたプログラムを提供されているところがあります。
ざっくり調べただけでもこれらの内容が出てきます。
・大津商工会議所:創業サポート研修
・守山商工会議所:創業塾
・近江八幡商工会議所:はちまん創業塾
・滋賀県産業支援プラザ
それ以外にも、滋賀県起業支援金といった補助金もあったり、金融機関側も創業に向けて資金融資の取り組みもどんどん整ってきているなとすごく感じます。
ハードの部分だとコワーキングスペースのシェアオフィスブースなどもあり、低予算で創業することができるのが現状です。
ただ一つ感じているのが「成長を目指した形」での起業家支援は実は受け入れ先がありません。
滋賀県の起業家支援で不足しているもの。
それがアクセラレーションプログラムの存在です。
アクセラレーションプログラムとはスタートアップ、起業家に伴走し、事業成長を支えていくアクセラレーター(わかりやすくいうと支援者)と一緒になって事業づくりから、出資や協業を含めて行っていくものです。
滋賀県内だと以前あったものが長浜市のN−LAP。
2024年度だと、守山市で行っているup stream lab.がありますが、up stream lab.は実証実験の伴走という形なのでアクセラレーションとはまた別のものとなります。
なぜアクセラレーションプログラムが必要なのかというと、県内の創業塾とアクセラレーションプログラムでは「起業家による要望のタイプ」が異なるからです。
地域で事業をするのであれば、創業塾でもちろんバッチリです。
ですが、スタートアップとして事業成長させていく場合、そもそもの戦い方が異なっていきます。
わかりやすくいうと、起業家と一括りにいっても地域で戦うのか、日本全国で戦っていくのかでは戦う方法も変わり、戦法も繋がっておいた方がいい人も変わっていくものになります。
例えば愛媛県だと、NEXTスタートアップえひめプログラムがあり、愛媛県の課題を中心に「どうやって大きなビジネスモデルへと成長させていくか」をアクセラレーターと期間を共にして行っていきます。
僕自身も昨年はRING HIROSHIMAや、AICHI CO-CREATIONに採択されて実際にスタートアップとして伴走してもらいながら行いました。
そうすると、大きな事業成長を行うときに、地域での伴走役がいることは「新しいビジネスモデル」の実績を作り、本当に必要不可欠なものなのかがわかるようになります。
そういったプログラムが滋賀県ではまだまだ不足しているところがあるなと感じています。
ではアクセラレーションプログラムを作ればそれでいいのか?
ここに関して思うのは、必要不可欠なものとして3つあると思っています。
・自治体と経済界の協力
・ハードとしての箱
・投資家、VCとの繋ぎ
まずスタートアップとして、地域課題を目印に事業を作る場合「アイデアだけを作る」のではなく、実際に試す場が必要となります。
それは地域のフィールドかもしれないし、地域経済界の企業内でのフィールドかもしれません。
アイデアを思いつきましたから、実際にやってみて、なんならそこで売上が立つぐらいまでを考えて実行するのであれば、ここの協力が必要不可欠です。
アクセラレーションプログラムを作ったらいい!と思い、ただプログラムを作るだけではなく伴走係のアクセラレーターがここの繋ぎをしっかり行うことが重要です。
次にハードとしての箱。それはスタートアップが拠点としてのいられる場所を設けていくことがスタートアップ同士のコミュニティを生み出し、地域との繋がりを作るものとなります。
そういう意味では、名古屋だとSTATION Ai、福岡だとFUKUOKA GROWTH NEXTといったシンボルとなるハードは、県外県内含めてわかりやすくその地域で事業を大きくするときのエンジンとなります。
そして最後に投資家、VCとしての存在です。銀行融資だけであれば、滋賀県にも滋賀銀行もあれば信用金庫もあり、政策金融公庫の支店もあります。
投資家、VCの存在は「投資」としての資金調達だけではなく、金融機関とは違う目線での事業のアドバイスをもらうことができ、それを活かすことで事業成長を別の形で行うことができます。
それら3つを兼ね揃えて、最低でも3年間という継続的な事業を行うことで、滋賀県でスタートアップを目印にした起業支援ができると感じています。
とはいっても、誰かがやらないと始まらないだろうなーと思っているので。
それら3つの条件を揃えて持続的にアクセラレーションプログラムを行えるように、現在しがとせかいも力を蓄えています。
もしこの記事を見られた人が、「滋賀県でもアクセラレーションプログラムが必要だ!」と感じ、手を組んで一緒にやりたい!という方がおられたら、ぜひお声がけして頂けると嬉しいです。
ではでは。