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まちのインフラとして。コワーキングスペースが事業としてなる理想の形態をイメージする。

2021年12月24日 コワーキングスペース

今回の記事はコワーキングスペース Advent Calendar 2021となります。
当初決めていたタイトルではなくなりましたが、今僕の中でも思考としてまとめておきたいなと思った部分があり今回の記事のテーマにいくことにしました。
県内で2つの拠点を作って、もうすぐ1年。
1つ目だったときと異なるのが滋賀県内での「こんな人いませんか?」という相談と、知り合うまちのプレイヤーの数がググンと増えたことにあります。
そのため、以前よりも「この人が知りたいと思う人はこの人だな!」と的確に当てられたり、脳の中にある紹介できそうな人リストが出来てきました。
その時に思ったのはコワーキングスペースをまちのインフラにしたときに、そして事業としても成長する時に理想の形態ってどんなんだだろう?と。
僕は今プラスは、まちのハブとして。人と人のハブや情報のハブにもなれたらいいなと思っているのですが、これを言語化するとどうなるのかを改めて深堀りしてみることにします。

そもそもまちのインフラとはなんだ?

インフラとは生活をする上で欠かせない生活基盤のことを指します。
水を家で出したいと思った時に水道が必要なように、遠いところに毎日通勤・通学するときに車が必要なように。
そういった「生活上で何かをしたい」という時に必要不可欠な存在。それがインフラ。
そこでのまちのインフラは、僕の中では「コミュニティ」と「情報」だと考えています。
コミュニティのインフラは、「この人と知り合いたい!」という時に、紹介してもらえる、紹介の上であえるコミュニティ。そしてそのコミュニティに所属することで初対面であっても警戒心を少なくあえるもの。
情報のインフラはその情報を知りたい人にわかりやすく伝える情報のカタチ、さらには関心度が高い人に情報が届くようにする方法と。
そうなった時のまちのインフラにおけるコミュニティはこれまでの市役所や公民館ではつながらなかったコミュニティを作ること。そして情報は行政機関や印刷媒体だけで届いてなかった欲しい人に届くものを作る。それがコワーキングスペースがハブとしてなることができれば、まちのインフラになるのではないかなと。

コワーキングスペースにコミュニティがあることは、事業の成長にもつながる

コワーキングスペースにコミュニティがある。これは僕の中では、利用者さん同士が気軽に挨拶できる関係が生まれ、いつの間にか知り合いになっているというものだと思っています。
つまり日常的に使われる空間であり、サードプレイスでもある。
そういったコミュニティがあるコワーキングスペースには、多様な人達が日常的に使い、人の流動性がより生まれていきます。
またコワーキングスペースとしての収益性にも比例していきます。
コミュニティがなくとも、作業場所として使えればコワーキングスペースは収益を生み出すことができますが、そうすると例えば他のスペースが出来た時に金額面や設備面での競合となってきます。
では挨拶が生まれ、いつの間にか知り合いが生まれる空間だったらまちのインフラとしてのコワーキングスペースのコミュニティになっているかというと、それではまだ足りていないかなと。
必要なのはもう一つ。
まちのいろいろな人達が「困った時にあのコワーキングスペースに相談しにいってみよう」。という地位になっていることだと思います。

困った時にあのコミュニティに相談しにいってみよう。

困っている内容にもよりますが、おおよそ今プラスにくるのはこの2つの種類。
・困った話題に対して、解決アイデアを出してくれる
・困った話題に対して、適切な人を紹介してくれる
これが、まちの規模にもよりますが1ヶ月で行政、民間関係なくコミュニティ外から20件ぐらいくると「困った時にあのコワーキングスペースに相談しにいってみよう」。という地位になっています。
大体こういう相談は創造的な内容であったり、まったく知り合いにいない!という方を探しているケースに多いです。
じゃあどうやったらそういう状況を作れるかというと、その時に重要なのが二つ目の情報だと思っています。

まちのインフラとして「情報」の第一発信源であり、わかりやすく伝える機関であること

まちのインフラとして。特に地方だと第一情報源は市役所のウェブサイトです。これは間違いない。
ではその情報源を果たしてまちの人達はみんな見ているかというとそうではない。なぜなら、情報のわかりやすさがないからです。
広報誌だとわかりやすさがあるのに、どうしてもウェブだとその辺りがなかったりします。
でも商工会議所や観光協会には印刷媒体としてすごくいいものがあるのに、ないんですよね、ウェブには。
また日常的に知りたい情報は、観光情報でもなく「あそこに新らしく出来たあのお店なに?」だったりもします。
あくまで伝えるのはそのまちに住んでいる人。そのまちに関心がある人です。
今、街にあふれている情報を加工しわかりやすく伝えること、これをコワーキングスペースの内部で作りできることで、先程のコミュニティが出来上がることにもつながっていきます。
情報が集まるということは、それを伝えてくれる人がいるということ。人を介し、情報を発信し、その情報源が大きくなればなるほど、情報源としての認知度や信頼度も高くなりますし、「あそこに相談しよう」というところを増えてきます。

ではそれをどうコワーキングスペースの事業として活かすか。

まちのインフラとしてコミュニティ、更には情報が必要なのはわかった。ではそれをコワーキングスペースの事業として活かすにはどうしたらいいか?について、僕が2つの店舗をしてきた上での理想の形だと思い、失敗する考えがこれだと思っています。
1.日常使いができるコワーキングスペースを作り、人件費を除いた費用をまかない利益を生み出す
2.まちの情報事業で人を雇用し、その単体事業で利益を生み出す。
この2つ。実は僕はこれが達成できれば!と思っていたのですが、2つ目が本当に難しい。
よくあるのが情報事業で広告をとってと考えているのですが、そもそもの人口が少ない、更には情報ネタを探している中で、PV取れそうなものは広告しなくても記事にするとかを考えるだけでそれはなかなか無理があります。
あとは、そこで生まれた利益はおそらくそんなに大きなものではなく、再投資で何かする時を考えても少額にしかならないです。
やはり利益をしっかり作り出すことを考えて、それを実現させることでコワーキングスペースは事業として成長性を持ちまちのインフラにもなっていきます。
ではどうするか?
僕がトライしているのが今、こちらとなります。
1.コワーキングスペース単体で人件費を含めた事業にする
2.まちの広報面での事業をつくる
3.エリアを限定しない事業をつくる
1はコワーキングスペースの収益を月額会員費用だけではなく、新たに中学生向けのプログラミングスクールを展開しました。
これ結構いいのが、中学生向けでなおかつ親御さんにも提供できる形にするとリカレント教育の部分でも、コワーキングスペースに、ITを少しずつ知る人が増えたりするんですよね。
今プラスでは週に1回大人プログラミング部というのをしていまして、そういう発表の場を設けることで、プログラミングの勉強にもメリハリがつき、なおかつ中学生も地方でプログラミングを学ぶことが出来ます。
30人ほどの生徒がいれば、その親御さんにもプログラミングをリアルな空間として提供できていきます。
これがコワーキングスペースの収益を利用売上だけではない形で売上を作るという部分になります。
2つ目がまちの広報での事業を作るというところになります。
現在、新たに企業やお店の広報まるごとやります!という事業をしていまして、その場合、通常のWEB制作事業よりも単価が高く何よりそのまちでその事業を届けるための媒体元にお金をかけられるようになります。
情報源自体で広告をとって回すのではなく、情報源自体が別事業における武器になるということです。
そしての3番目。これがコワーキングスペース、まちを限定しない事業を作るという部分です。
例えば今プラスでいえば、プログラミングスクールの教材販売。これもエリアに限定されない新しい収益性を高める事業となります。
地方の場合、コワーキングスペース以外に別事業を展開している会社も多いので、上にあげた例は一例となりますが今やろうしている部分に「どうすればコワーキングスペースにコミュニティが生まれ」「情報源としてもなり」「利益を生み出すか」を考えていけばオリジナルの形が見えてくるかもしれません。
(僕もめっちゃ試行錯誤しながら、今もしていますし笑)

まちのインフラとしてコワーキングスペースにおける理想のサイクル

・コワーキングスペースでの単独収益を高め、人件費を含めての利益を出す形にする

・まちの広報として、地域のお店や企業の広報係を行い、そこと連動する形でまちの媒体運営を行う

・本事業と絡めた形でエリアに限定されない事業を作る
このサイクルを生み出すことができれば、コワーキングスペースにおけるコミュニティの成長性と情報発信元としての成長性が作られます。
そして利益をしっかり出すということは新しいチャレンジもできるということになります。逆に利益を生み出すことを意識していないと、どこかモチベーション勝負となりコワーキングスペースの存続が難しくもなっていきます。
今プラス自体はようやく、スペース単独で人件費もみれるようになってきたかなーという形ですが、2022年はこの点を意識して、1と2の事業をしっかり展開し3の新規事業も含めて、コワーキングスペースからはじまるまちのインフラかつ利益を生み出し新たなチャレンジができるようにしていきます。
ではでは。